今や「新卒で入社した会社を3年で辞める人が30%いる」というのは、
学生ならほとんど知っていることとなりました。
ただ、この「3年で30%の人が辞める」という情報は嘘でもあり、本当でもあります。
情報を正しく読み解かないと真実は見えてきません。
少しでも、多くの人に「正しい情報」が届くと嬉しいです。
※2023年時点のデータになります。
新卒3年離職率が30%の真相
前提として、「3年で30%」というのは、【平均値】であることを忘れてはいけません。
実際の数字の内訳を見てみると、以下のことがわかります。
それぞれ解説していきます。
平成21年を除いて過去約20年以上ずっと離職率30%
過去を遡ってデータを観てみると、実は20年以上も前からずっと離職率は30%が続いています。
いろいろな原因が考えられますが、これからも変わらずにいくでしょう。
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従業員数別で離職率が変わる
従業員が1,000人以上の企業だと26.1%、5~29名の規模感の企業だと49.6%です。
同じ「新卒入社」でも離職率が約2倍違うというのも事実です。
小規模であればあるほど、1人に対しての仕事の負荷が大きくなり、
入社後の研修が整っていない企業が多いため、耐え切れずに離職する傾向があります。
大手企業であれば、1人に対しての裁量はある程度制限し、
教育研修制度が整っているため、離職率が低い傾向にあります。
業種ごとで離職率が変わる
離職率が一番高い業種は「宿泊業・飲食サービス業」で51.4%、
一番低い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」で10.5%。約5倍も差があります。
おそらく、労働条件や働き方の面で、違いが出ているためだと思います。
もっと細分化すればありますので、
詳しく知りたい方は厚生労働省のホームページから調べていただければと思います。
新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
新卒3年離職率が30%が悪いとも限らない
最近では【離職率が高い=悪い会社】に当てはまらない企業もあります。
独立や起業を推奨している企業や転職市場が活発なIT業界では、
離職率が高い傾向にありますが、
入社して良かった企業ランキングにランクインすることもあります。
退職の中身を正確に把握することが大切になります。
数字を正しく見るためのコツ
数字を正しく見るためのコツは以下の3つです。
- 情報元を調べる
- まずは疑ってみる
- 数字の細かいところを見る
数字を正確に読み取らないと、情報に踊らされます。
特に評判・口コミサイトに記載されている離職率は信憑性に欠けます。
【口コミサイトの信憑性は?】参考程度にしましょう - 就活とキャリア形成日記
また、離職率の中身を把握することも大事でしょう。
10人入社して3人離職する数値と、
1000人入社して300人離職する数値は同じ「離職率30%」です。
離職の理由も会社都合もあれば本人都合もあります。
なぜその数値になっているのか?
を理解してからその企業が良いかどうかを判断するといいでしょう。
【正しい情報】をしっかり読み取れるよう、
少しでもこの投稿が役に立っていれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。