就活とキャリア形成日記


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就職(転職)活動でなかなか上手くいっていない方や、入社した会社に違和感を抱いて転職を考えている人のお役に少しは立てるかと思っています。


通年採用の影響、学生と企業の双方に及ぼすものとは?

ニュースでは経団連が就活ルール廃止をしたと発表がありました。
 
何かと話題になる新卒採用ですが、
実際に動いている学生や企業は情報に振り回されていることが多いかと思います。
 
そもそも通年採用を正しく理解しないといけません。
また、学生と企業それぞれにどんな影響が出るのか、というのを考えてみたいと思います。

通年採用という言葉に対する誤解

まず前提としてこのニュースを正確に読み解かないといけません。
通年採用という言葉が出てきますが、
「通年採用=採用活動の前倒し」ではありません
 
誤解が生まれるポイントとしては2つあります。

1.21卒から自由化するとは言っていない

正確には「本日の会長・副会長会議において、2021年度以降に入社する学生を対象とする採用選考に関する指針を策定しないことと決まった。」です。

 
つまり、経団連主導でやるのはもう終わりということです。 

2.経団連と大学は「通年採用=早期化で合意」は一切していない

経団連と大学の合意内容は以下のものです。

  • メンバーシップ型採用に加えて、ジョブ型採用も含めて、複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべき
  • 外国人留学生や日本人海外留学経験者を積極的に採用する方向、またジョブ型採用を念頭に、大学院生を積極的に採用する方向
  • 1dayインターンシップは教育的意義を持つ、インターンシップとは区別して別のものとする
  • インターンシップで得た学生情報の広報・採用選考活動への活用は、継続的に検討する
 ※参考

就活の脱「横並び」合意 経団連・大学、通年採用拡大: 日本経済新聞

 
ここでいう通年採用とは、「外国人留学生、日本人の海外留学経験者、インターン就業した既卒者、大学院生など、"4年生の3〜6月"以外の時期・対象に広げる」ことで合意したということになります。
 
つまり、現時点では何も決まっておらず、
企業ではなく政府主導でルールを作る方向性で動いているということだけがわかっている状況です。
 
リクナビマイナビのオープン時期は変わらなさそうです。
前置きが長くなりましたが、
この状況の中で企業、学生それぞれにどんな影響があるのでしょうか。

企業側への影響

1.職種別・能力別採用が増える

メンバーシップ型採用からジョブ型採用にシフトしてきます。
新卒一括採用=新卒一律待遇ではなくなってきます。
 
すでにSONYでは、AI人財の初任給を最高で730万円、
くら寿司でも海外展開の幹部候補に初任給年収1000万円など、始まってきています。 

2.早期化する

インターンシップを実施する企業が17卒から20卒の3年間で約1万社増加しました。

特にその中でも個人情報獲得を目的とした1dayインターンが圧倒的に多くあります。

インターンからいかに選考フローに乗せて内定承諾まで導くか、
口説き力が今後、必要になってきます。

3.まとめ

今までのやり方でうまくいったからといって、
翌年の採用がうまくいく保証は全くないということ。
毎年変化に合わせて採用をしていかないといけないことになります。

学生側への影響

1.格差が広がる

人気の学生は何社も内定を取得するようになり、一方で内定を取得できない人も増えてきます。

19卒のデータでは、30社エントリーして2社内定を取得しているのは事実です。

 

これはあくまで一般論なので一概には言えませんが、実態はもっと個人差があります。

どれだけ情報に対してアンテナを立てて行動しているかが大事になってきます。

2.スキルが重視される

今までの新卒採用は、
"ポテンシャル採用"という形であまりスキルを重要視してきませんでした。
ただ、今回のSONYくら寿司みたいに、
すでにスキルや経験を持っている人は優遇されていきます。
 
そのため、学生時代をどう過ごすかで、
社会人のスタートラインが決まってしまうこともあります。

もちろん、すぐにはポテンシャル採用から変わりませんが、徐々にシフトしていくでしょう。

3.まとめ 

すぐすぐにスキル重視にはならないと思います。
ただ、徐々に「スキル」や「経験」を重視する傾向になってきています。
 
わかりやすいスタート時期(ナビオープン)は今までと変わらないが、
自分から情報を取りにいかないと置いていかれます。
 
海外留学経験者の「英語」や理系で半即戦力になりそうな「ITスキル」を持つ学生は、
良い意味で新卒一律待遇の対象外になる可能性が非常に高くなります。

 

海外から見ても珍しい新卒一括採用が、段々と違う形に変化していきそうです。
ただ、どんな時代でも希望とする学生を採用できる企業はできるし、
第一志望の企業に就職できる学生もいます。
 
本質的には、適切な情報をキャッチアップし、
素早く処理して自ら考えて行動している企業担当者、
学生は選ばれやすいということは間違いなさそうです。

 
ニュースに惑わされず、自ら情報を取りに行って判断していく必要があります。
1人で行わず、信頼できる方と協力しながら就職・採用活動を進めていくといいでしょう。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。