日経新聞を読んでいると目を疑うような記事がありました。
就活生の「辞退予測」情報、説明なく提供 リクナビ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48076190R00C19A8MM8000/?n_cid=DSREA001
内容を簡単にいうと、
就活学生の「内定辞退率」を本人の十分な同意なしに予測し、38社に有償で提供していた。」ということ。
しかも、そのデータを購入していた企業は、ホンダ、トヨタ、アフラック、りそな、NTT、東京エレクトロン、YKK、レオパレスなど名だたる企業。
登録学生数は約80万人と、ほとんどの学生が使っているといっても過言ではないくらい「就活するならリクナビ」という当たり前を作った企業が起こした事件。
この事件から読み解く、これからの就活の仕方を考察してみました。
新卒の就活、採用に携わる方の参考になれば幸いです。
知らないうちにデータを取られ、活用されるリスクがある
就職活動をするならまずはナビに登録」という風潮があり、
大学の就職セミナーでも登録を促す大学も多いのも事実です。
そうして積み上げていった登録データはビックデータとなり、
解析され企業側に提供されたのがこの事件。
エントリーした企業、作成したOPES、企業へのメール、適性検査の結果など、
「自分を知るため」「企業に応募するため」にやったことは、
リクナビに個人情報をさらに登録することとなっています。
学生80万人の過去10年分(800万人分)のデータが集まれば、
究極のPR合戦である就活ではマーケティングに活用できるのが企業側のメリット。
適性検査でこういう傾向の人は、過去この業界の企業に応募することが多いから、
絞ってスカウトを打ちましょう
なんてことができる可能性があります。
学生は使いやすい新しいサービスを求める
最近、学生に「ナビって使ってるの?」と聞くと、
ほとんどの学生は「使ってません。」と回答します。
理由を聞いてみると、
・企業数が多すぎてよくわからない
・メールが1日100通も来るから、見るのがだるいし重要なメールも見落としちゃう
・登録したら知らない番号から連絡かかってきて怖いから使うの辞めた
などなど不満が多く、ここ数年で「ナビ離れ」が顕在化してきているのも事実。
では、その「ナビ離れ」した学生は、どんなサービスを使っているのか。
大きく分けると下記の3つに絞られます。
1.スカウト型サイト
自分から選ぶというより、企業から選んでもらうスタイル。
ここ2~3年で急成長している分野です。
今までは学生から企業にアプローチすることが普通でしたが、
最近では逆になってきています。
企業からスカウトが来ると嬉しい気持ちになり、
説明会や選考に参加してみようと思う率が上がるのも事実です。
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2.就活エージェント
こちらもここ数年で急成長した新卒紹介サービスという新しい分野。
2019年卒では、新卒紹介サービス(エージェント)を利用する学生は11.5%と増えてきています。
参考:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/2019monitor_201803.pdf
どういった経緯で活用するか聞いてみると、
評判や口コミが書いてある「就活会議」に登録したら電話がかかってきたのが始まり、とのこと。
他にも人材業界を受けていて、選考に落ちたらエージェントに誘導されて活用した、
など様々な経緯から使うケースが目立っています。
3.直接会えるサービス
単なる合同説明会とかではなく、少し変わった会い方です。
ニクリーチ
株式会社ビズリーチが運営するサービスで、
その名の通り肉を食べながらスカウトでマッチングした学生と話せるのが特徴。
JobTryout
株式会社リアライブが運営するサービスで、
学生はビジネスゲームを行い、それを企業が見てオファーを出すという仕組み。
ICHIGEI
株式会社ネオキャリアが運営するサービスで、
学生が「個性」をアピールし、それを見た企業がスカウトを送るシステム。
https://www.neo-career.co.jp/service/ichigei_B
新卒カレッジ
株式会社ジェイックが運営するサービスで、
学生は1度に12社会え、企業は必ず20人と面接ができるスタイル。
https://college.e-jinzai.co.jp/service/newgraduate/
今後、伸びてくる新時代の就活方法
水面下で成功している企業が増えてきている新しい採用手法「リファーラル採用」
昔の「縁故採用」に近いのだが、中途分野では当たり前になりつつある手法。
それが新卒の学生でも起き始めています。
学生のリファーラル採用とは、
「OB・OG訪問」や「ゼミ・サークルの後輩」の繋がりを活用すること。
すでに「OB・OG訪問」のサービスが出てきています。
Matcher
Matcher株式会社が運営するサービスで、
所属する大学に関係なく、様々な内定者、社会人と話せるサービス。
BIZREACH CAMPUS
株式会社ビズリーチが運営するサービスで、
上位大学のOB・OGのネットワークに強く、大学での授業も開催中。
終わりに
いかがでしたか??
これからはマスマーケティングではなく、1対1の繋がりが重要になっていく時代です。
いかに採用したい学生に低コスト会えるか、
究極の採用「1名面接→1名内定→1名承諾」ができる時代が近づいてきている気がします。
最後までお読みいただきありがとうございました。