これまでたくさんの求職者に出会って相談に乗ってきました。
一番多く受ける相談が「やりたいことがわからないから、
どの企業に就職したらいいかわからない」という悩みです。
今から10年後なんてわからない、でも面接で聞かれるから準備しないといけない。
そんな悩みを持っている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
企業が将来のビジョンを聞く理由
5年後、10年後の未来は誰にもわからないのに、企業が面接で聞く理由は何か。
それは、「長く働いてくれるか」と「会社の方向性と求職者の方向性が合っているか」を判断するためです。
企業は1人採用してから1人前に育てるために、1,000万円以上の投資をします。
1人前になる前に辞めてしまうと、投資した分が回収できなくなります。
そのため、入社したら投資した分が回収できるかどうかを見ています。
ただ、長く働くかどうかは本人次第です。
そこで企業は、長く働く「意思」があるかどうか、
求職者の望むキャリアプランと、
企業が求職者に求めているキャリアプランがある程度一致するか確かめます。
その確認をするために、将来のビジョンややりたいことを聞くのです。
やりたいことを見つける3つのステップ
やりたいことはいきなり見つかるわけではありません。
そもそも、やりたいことは次から次へと変わっていきます。
例えば、小学校の時にやりたかったことと、
高校のときにやりたかったことを思い出してみてください。
全く同じということはほとんどないと思います。
いろんなことを知れば知るほど新しくやりたいことが出てくるでしょう。
これは、仕事においても同じです。
仕事がそもそもどんなものかわからないのにも関わらず、
その中からやりたいことを見つけろというのには無理があります。
したがって、過去の自分の傾向を知れば、将来のやりたいことのヒントが得られます。
やりたいことを見つける3つのステップは以下の流れです。
- 過去の経験(小学校~現在)を書き出す
- やりがいや楽しさを見つける
- 表現を変える
それぞれ解説していきます。
Step1 過去の経験(小学校~現在)を書き出す
やりたいことは必ず過去の経験から見つけられます。
ここで大事なのは、より具体的に書き出すことです。
部活で週5日練習をして、常に改善する努力をした、
練習の際に教えられたことは必ずメモを取ってすぐに実践した、
などイメージできるまで書き出します。
勉強についても同様に、テスト前2週間計画を立てただけではなく、
苦手分野は毎日1時間は勉強した、
練習問題を解くだけではなくノートにまとめた、などです。
やってきたことの中で「意識したこと」「工夫したこと」を思い出す
Step2 やりがいや楽しさを見つける
過去の経験を書き出したら、今度はその時に感じたやりがいや楽しい瞬間を書き出します。
例えば、こんなイメージです。
吹奏楽部であれば「チームで1つのものを創り上げることが楽しい」
茶道部であれば「1日1日できることが増えて成長を感じられるのがやりがいになる」
サッカー部であれば「ゴールを取るためにいろんな戦術を考えてはまったときが楽しい」
勉強であれば「勉強した結果が点数に表れるのが楽しい」
やりがいや楽しかったことを書き出す
Step3 表現を変える
Step2で書き出したやりがいを「Will(したい)」にすればそれがやりたいことになります。
上記の例だと以下のように表現を変えます。
「チームで1つのものを創り上げることが楽しい」
⇒「何かチームで1つのものを創り上げたい」
「1日1日できることが増えて成長を感じられるのがやりがいになる」
⇒「日々、成長を感じられる仕事がしたい」
「ゴールを取るためにいろんな戦術を考えてはまったときが楽しい」
⇒「目標に対して、ある程度裁量権を持って思考・実行できる仕事がしたい」
「勉強した結果が点数に表れるのが楽しい」
⇒「自分の努力が目に見える形になって表れる仕事がしたい」
イメージしていたやりたいこととは違うかもしれないのですが、これでも内定が取れます。
「Will」に変換して仕事内容と紐づけをする
内定を取得した例文7選
汎用性が高く、内定を取得できた将来のビジョンややりたいことの事例をお伝えします。
表現を変えたり、自分の言葉にアレンジして使ってみてください。
- 事例①(市場価値を高めたい)
- 事例②(自分の努力が目に見えて形になる仕事がしたい)
- 事例③(チームで1つの目標に向かう仕事がしたい)
- 事例④(裁量権の大きい仕事がしたい)
- 事例⑤(お客様から名指して指名をもらえる人になりたい)
- 事例⑥(社会貢献したい)
- 事例⑦(世の中にない新しいサービスを創りたい)
事例①(市場価値を高めたい)
私は将来、市場価値の高い人間になりたいと考えています。
市場価値の高い人間とは、どんな仕事を任せられても期待以上に成果を出せる人間です。
飲食店でのアルバイトでは、ホールだけではなく、キッチンや売上管理など、幅広い業務を任されてきました。
その際に、どの業務も店長の期待以上の成果を上げたときにやりがいを感じていました。
したがって、貴社でも期待以上の成果を出せる人間になります。
事例②(自分の努力が目に見えて形になる仕事がしたい)
私は、自分の努力が目に見えて形になる仕事がしたいと思っています。
一度やると決めたことは、結果が出るまでやり続ける性格です。
中学校から勉強が好きで、自分がやればやるほど点数が伸びるときにやりがいを感じていました。
入社後も、資格取得やスキル習得などに励んでいきます。
事例③(チームで1つの目標に向かう仕事がしたい)
私は、チームで1つの目標に向かうような仕事がしたいと考えております。
中学校から吹奏楽部に所属しており、金賞を目標に練習をしてきました。
演奏会に向けて個人のレベルを上げ、チーム内でもアドバイスをし合ったりしてチームでのレベルも上げていきました。
結果として金賞は叶いませんでしたが、目標に向かってチーム一丸となって挑むことにやりがいを感じていました。
なので、私はチームで目標に向かう仕事がしたいと考えております。
事例④(裁量権の大きい仕事がしたい)
私は裁量権の大きい仕事がしたいです。
ある程度、任せてもらえて、自分自身で試行錯誤しながらできる仕事です。
私はサークルの新入生歓迎会の責任者として、新入生30人を集めるという目標を設定しました。
企画内容や集客方法も全部0から考えないといけなかったので大変だったのですが、
トライ&エラーを繰り返して試行錯誤しながらやっていくことに楽しさを感じていました。
結果として50人集めることができ、達成感も得られたのは貴重な経験です。
この経験を活かして、責任範囲の大きい仕事でもやり遂げます。
事例⑤(お客様から名指して指名をもらえる人になりたい)
私の将来の理想像は、お客様から名指して指名をもらえる人になることです。
高級焼肉店で接客のアルバイトをしていて、
お客様から「○○さんの接客を受けに合いに来たよ」と言われたときが一番のやりがいになっていました。
私もその言葉を聞いて、「お客様のためにもっと貢献したい」と思い、
毎日商品知識を身につける努力もできました。
なので、入社したらお客様から一番信頼される人になりたいです。
事例⑥(社会貢献したい)
私は将来、社会貢献したいと考えています。
私の思う社会貢献は、自分の持っているスキルや知識を目の前にいるお客様に還元することです。
塾講師のアルバイトで中学生に5教科すべてを教えていたのですが、
自分の持っている知識次第で生徒の成績の伸びも変わってきます。
自分の知識をいかに相手にわかりやすく伝えるかを考えて実践し、
生徒のテストの点数が伸びたときにやりがいを感じていました。
目の前のお客様はもちろんのこと、もっと大きい単位で社会に対して、貢献していきたいと考えています。
事例⑦(世の中にない新しいサービスを創りたい)
私は5年以内に世の中にない新しいサービスを創りたいと考えています。
インターンシップやゼミで、企業と共同で新規事業を創る疑似体験をしました。
その際に、市場調査から分析、競合サービス調査、ビジネスモデル構築などを通して、
自分の携わったものが世の中に大きな価値を与えるということにやりがいを感じました。
そのため、入社後は3年で現場をすべて経験し、
5年目には新規事業に携わって、より多くの人に価値提供していきます。
まとめ
ここまでお伝えしたことをまとめます。
やりたいことを見つける3つのステップは以下の流れです。
- 過去の経験(小学校~現在)を書き出す
- やりがいや楽しさを見つける
- 表現を変える
やりたいことに正解不正解はありません。小さい大きいもありません。
意思を持った時点でそれがやりたいことになります。
社会とか日本とか大きい単位がイメージできない場合は、
もっと身近に落とし込んで目の前のお客様、もしくは自分自身の成長など、
イメージできるところから考えてみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。