留年生の数は毎年10万人前後いると言われています。
単位が足りずに留年してしまった。
就職活動がうまくいかなかったから意図的に留年した。
理由はいろいろありますが、面接で必ずと言っていいほど聞かれます。
「留年」はマイナスなイメージを与えることが多いです。
ここでは、留年の伝え方をお伝えします。
留年が企業に与える印象
半年留年、1年留年問わず、企業が面接で抱く印象は
「決められた時間の中で当たり前のことができない人」です。
留年する主な理由は、単位不足か就職留年の2つがあります。
その原因が、お金だろうと単位の見落としだろうとなんでも、「留年」とみなされます。
履歴書提出やエントリーシートの段階で留年していると落とす企業があることも事実です。
マイナスな印象を持たれているということを自覚して就活に臨むと良いでしょう。
ベストな伝え方【文章作成の4つのステップ】
留年したという事実は変えようもないことなので、
その伝え方を工夫する必要があります。
まずは、伝えるための文章作成の仕方をお伝えします。
ステップ① 留年した理由を分析
ただ単に「単位が取れなかった」だけで終わらせず、その原因を分析します。
アルバイトにはまってしまった、サークルに没頭しすぎたなどで終わらせず、もう一歩深掘りが必要です。
一般的な学生は学業とアルバイトとサークルを並行して就職活動をしています。
事実から「なんで?」を深堀りしましょう。
時間の使い方が間違っていた
計画的に行動ができなかった
ステップ② 留年したことに対しての解釈
留年してしまったことは事実なので変えようがありません。
変えられるのは解釈です。
ここで言う解釈とは「失敗と捉えているか」です。
留年したことに対して、「自分自身の時間に対しての認識の甘さがあった」や
「もっと早いうちから単位を取得しておけばよかった」など反省しているかが大切になります。
自分自身の時間に対しての認識の甘さがあった
もっと早いうちから単位を取得しておけばよかった
ステップ③ 今に活かされていることを伝える
社会人として失敗したとしても、
PDCAサイクルを回して改善していくことが求められます。
理由の分析と解釈ができた後に、
その経験が今に活かされていないと「また同じこと繰り返すのか?」と思われてしまいます。
同じことを繰り返すのは成長していない証と観られるので注意が必要です。
今は計画的に単位を取得して、勉強の時間を確保しています
メリハリをつけてやるときはやる、休む時は休むとしています
ステップ④ 今後どう活かしていくか
「留年」という経験をマイナスにするのもプラスにするのも自分次第です。
最後にこの経験を社会人になったらどう活かしていくのかを伝えると好印象になります。
大事なのは「意識する」ではなく「行動ベース」で伝えることです。
以下の2つの例文を見たときに面接官はどう思うでしょうか。
- 入社したら自分の甘さに負けないように意識していきます
- 入社したらこの経験から学んだ計画的に行動することを実践していきます。
意識しますというのは便利で使いやすいですが、面接官には全く響きません。
行動ベースで伝えましょう。
【例文】留年の伝え方
実際に留年した方が伝えて、合格した例文をご紹介します。
「なんで留年したんですか?」の回答です。
パターン①アルバイトに熱中
(理由)
私は学生時代にアルバイトに熱中しすぎて学業をおろそかにしてしまいました。
(分析)
今思うとアルバイトの時間を減らして学業に集中できる環境を自分で作れば良かったと思っています。
(今活かされていること)
現在はアルバイトを週5日から週2日に抑え、大学の課題をやる時間を作って毎回出席もしています。
(今後)
この経験から自分のやりたいことをやるためにはやるべきことをやらないといけないと痛感しましたので、まずは入社後もやるべきことからやっていきます。
パターン②怠惰
(理由)
正直に申しますと、学業に身が入らずモチベーション高く勉強ができていませんでした。
(分析)
何のために大学に行くのかがわからず、目的を見失っていたためだと考えています。
改めて考えたときに、大学に行く目的は与えられるものではなく、自分自身で見つけるもので、どう主体的に行動していくかによって変わってくると思いました。
(今活かされていること)
そのため、今は「自分の教養を深めるため」という目的で大学に通っています。
(今後)
今後はしっかりと自分の納得する目的意識を持って「何のためにこの仕事をしているのか」というのを考えていきます。
パターン③家庭の事情
(理由)
家庭の事情で大学に通えなくなってしまい、留年してしまいました。
(分析)
今思えば、家庭のことも大学のことも両立するためにもっとできることがあったのではないかと考えています。
(今活かされていること)
そのため、現在は家族と話し、家庭のことと大学の授業を両立するために、時間の使い方を工夫しています。
この経験から私はいつ何が起こるかわからないということを学びました。そのため常にリスクヘッジをして最悪を想定するような習慣が身につきました。
(今後)
入社後もこの経験を活かして最悪のシナリオを想定して仕事に取り組みます。
パターン④単位手続きミス
(理由)
私の留年した理由は、私がカウントしていた単位数と卒業単位数に差異があり、2単位足りなかったためです。
(分析)
自分自身の確認ミスで根底には心のどこかで「まあ大丈夫でしょ!」という考えがありました。
(今活かされていること)
そのため、現在は卒業に必要な単位数の確認と自分自身の残りの単位数をチェックし、その単位はどのような基準で取得できるのかを確認しています。
また、先延ばしにせず、課題で出されたレポートも3日以内には提出するようにしています。
(今後)
この経験から、私は先延ばしにする癖があること、確認不足で大きな失敗になることを学びました。
今後は私の性格を自覚し、仕事でも2回、3回と確認して理解ができるまで確認し続けます。
必ず1人以上に確認してもらう
失敗や嫌な思い出はどうしても自分1人だと美化しがちです。
面接に行く前に、必ず社会人に見てもらいましょう。
大学のキャリアセンターでも良いですし、同じサークルの先輩でもOKです。
そこでフィードバックをもらうことで、この伝え方は大丈夫かどうかがわかります。
ただ、どうしても留年したことは不利に働くことが大いにあります。
その際は、紙で判断されにくい、エージェントの活用をオススメします。
参考になると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。